カーボンニュートラルは地球の環境を守るために必要な取り組みと言われていますが、「本当に必要なのか?」という疑問を持っている方もいます。
「達成するのが難しい」などのおかしいと思われているケースがあるためです。
しかし、おかしいと言われる理由には誤解や間違った情報が含まれていることがあります。
そこで、この記事ではカーボンニュートラルが間違っていると言われる理由や取り組みの必要性について解説します。
カーボンニュートラルの概要
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量の均衡を保ち、地球温暖化の影響を最小限に抑えることを目指す概念です。
この取り組みは、化石燃料の使用量を減らし、代わりに再生可能エネルギーを増やすことで、CO2排出量を抑制するなどの取り組みが行われています。
ちなみに、国際社会はパリ協定をはじめとした取り組みで、カーボンニュートラルの実現に向けた目標を掲げています。
カーボンニュートラルがおかしいと言われている理由
カーボンニュートラルに対して「おかしい」などと批判的な意見があります。
しかし、その理由には誤解や間違った情報が含まれていることが少なくありません。
ここでは、カーボンニュートラルがおかしいと言われている理由について詳しく解説します。カーボンニュートラルについての正確な知識を身に付けてください。
理由1:カーボンニュートラルはCO2排出量をゼロにすることを目標にしていない
「カーボンニュートラルはCO2排出量をゼロにすることを目標にしている」と認識されている方が少なくありません。
しかし、これは間違っています。
そもそもカーボンニュートラルの目標は、CO2排出量をゼロにするのではなく、排出量と吸収量のバランスを取ることです。
実際、カーボンニュートラルの取り組みをうたっている企業などが、CO2の排出量ゼロを目標に掲げていることも多いため、勘違いされてしまう方がいます。
カーボンニュートラルはあくまでもCO2の排出をゼロにすることが目標ではないということを理解しておきましょう。
理由2:カーボンニュートラルの対象範囲が定まっていない
カーボンニュートラルは地球全体だけでなく様々な対象範囲で使われています。
具体的には以下の通りです。
・ 地球全体のカーボンニュートラル
・国・地域のカーボンニュートラル
・企業のカーボンニュートラル
・ 商品のカーボンニュートラル
そのため、対象範囲が広く、カーボンニュートラルを目標に掲げていてもどれを対象にした目標かが分からない、ということも少なくありません。
例えば、ある企業がカーボンニュートラルを達成したとうたっている場合、商品開発に関するカーボンニュートラルは達成していても、企業自体のカーボンニュートラルは達成できていない、というケースもあります。
しかも、具体的な基準があいまいであるため、カーボンニュートラルの達成基準も企業によって異なるケースが少なくありません。
このように対象範囲や基準に不透明な部分があるため、カーボンニュートラルは「おかしい」と言われています。
理由3:カーボンニュートラルは課題が多く達成が容易ではない
カーボンニュートラルの達成には、化石燃料の削減や膨大な投資が必要とされるため、課題は多く、達成が難しいとされています。
実際、世界の経済活動において化石燃料の削減は容易ではありません。
ガソリンなどの化石燃料の代わりになるエネルギーが見つかっていないためです。
しかも、再生可能なエネルギーとして挙げられている「太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス」などは、設備の建設などに膨大なコストがかかるケースもよくあります。
とはいえ、カーボンニュートラルは地球規模の重要な課題であるため、これらの問題点を解決できるように取り組んでいかなければなりません。
こうした課題に取り組むことで、持続可能な社会を築くことができます。
理由4:カーボンニュートラルに取り組むことで新たな問題が生じる可能性がある
カーボンニュートラルの取り組みが進むことで、新たな環境問題が発生し、一部の地域や産業が影響を受ける可能性があります。
例えば、バイオ燃料の増産による土地利用変化や、電気自動車の普及に伴うリチウム採掘による環境への影響などです。
また、化石燃料産業や自動車産業など、温室効果ガスの排出が多い産業に大きな影響を及ぼす可能性があります。
こうした問題に対処するには、新しい技術や制度を開発するなど、適切に対応することが必要です。
このように、カーボンニュートラルに取り組むことで環境問題や産業などに悪影響を及ぼす可能性もあることを理解しておきましょう。
カーボンニュートラルは本当に必要?
ここまで解説したように、カーボンニュートラルは達成が容易でなく、課題も多いなどの理由から「本当に必要なのか?」という疑問を持っている方も少なくありません。
結論から言えば、カーボンニュートラルは取り組む必要があります。
カーボンニュートラルは地球温暖化による気候変動を食い止めるために必要な取り組みです。
CO2の排出量が増えることで様々な気候変動が進む一方で、将来的に化石燃料が枯渇することが予想されています。
そのため、コスト面に加え新たな問題が発生する可能性はありますが、カーボンニュートラルには継続して取り組んでいかなければなりません。
持続可能で環境に配慮した社会を実現し、地球の未来を守るためにも、国・地域、企業、個人が責任を持ってカーボンニュートラルに取り組むことが不可欠ということを理解しておきましょう。
カーボンニュートラルを実現するための取り組み
カーボンニュートラルを実現するために様々な取り組みが行われています。
ここでは、カーボンニュートラルの取り組みとして代表的なものを二つ紹介しますので、参考にしてみてください。
CO2排出量を削減する取り組
一つ目は「CO2の排出量を削減する」取り組みです。
具体的には以下のような取り組みが挙げられます。
・エネルギー効率の向上:省エネルギー技術の開発やエネルギーマネジメントの導入により、エネルギー消費量を抑える
・再生可能エネルギーの導入:太陽光発電、風力発電、地熱発電などの再生可能エネルギーの普及により、化石燃料の使用を減らし、CO2排出量を削減する
・交通手段の見直し:公共交通機関の利用促進や自転車、徒歩などのエコフレンドリーな移動手段の普及により、交通分野でのCO2排出量を削減する
例えば、弊社が取り扱っている「炭化装置」でもCO2を削減することができます。
これは廃棄有機物を炭化させることでCO2の放出量を大幅に削減する装置です。
また、炭化物は炭素を長期間安定的に保持することができるため、CO2の削減につなげることが可能となります。
以上のように、CO2の発生を抑えることがカーボンニュートラルの達成につながることを理解しておきましょう。
なお、炭化装置については下記の記事で詳しく解説しています。
小型炭化炉・炭化装置を探している方必見!おすすめの小型炭化炉・炭化装置を紹介
CO2吸収を促進する取り組み
カーボンニュートラルの取り組みとして「CO2吸収を促進する」ことも重要です。
例えば、以下の取り組みが挙げられます。
・森林保全・再生:森林はCO2を吸収し、酸素を放出するため、森林の保全や植樹活動を通じて、CO2の吸収能力を向上させる。
・土壌管理の改善:有機農業の普及や炭素貯留農法の導入によって土壌の炭素含有量を増やすことで、CO2の吸収能力を向上させる。
・緑化活動の推進:都市部や住宅地における緑化活動や屋上緑化により、CO2の吸収能力を向上させる。
CO2吸収を促進する取り組みにおいても弊社の「炭化装置」は効果を発揮します。
炭化装置で生み出された炭化物を土壌に添加することで、土壌の炭素含有量を増やし、土壌の肥沃性を向上させることを可能とします。
土壌の肥沃化によって植物の生育を促進し、光合成によるCO2の吸収を増加させることで、カーボンニュートラルに寄与します。
このように、炭化装置はカーボンニュートラルの達成に寄与する装置であることを覚えておいてください。
カーボンニュートラルを正確に理解して取り組もう
カーボンニュートラルは温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ(実質ゼロにする)、地球温暖化を食い止めるために重要な取り組みです。
誤解や間違った情報により、「おかしい」と言われることがありますが、CO2排出量の削減および吸収量の強化に取り組むことで、環境に配慮した持続可能な社会を築くことができます。
国際協力や技術革新を通じて、カーボンニュートラルを現実的なものにしていくためにも、カーボンニュートラルについて正しい知識を身につけておきましょう。