養鶏場を運営している方なら、「鶏糞の処理に困った」という悩みを一度は抱えたことがあるのではないでしょうか?
実際、鶏糞には特有のにおいがあり、活用方法が限られるため、鶏糞の処理に困っている養鶏場は非常に多いです。
そういった養鶏場では、多くの鶏糞が活用されずに、お金を掛けて産廃処理されてしまっています。
しかし、鶏糞は非常に良い肥料となるだけでなく、様々な使い道があるため、お金を掛けてまで産廃処理してしまうのは非常に勿体ない話です。
仮にあなたが鶏糞を産廃処理してしまっているのであれば、この記事で鶏糞の使い道を知り、活用を検討してみてください。
この記事で紹介するポイントは以下です。
この記事のまとめ
・鶏糞は古くから肥料として使われてきた
・鶏糞を使ったバイオマス発電がある
・鶏糞を再利用するなら炭化がおすすめ
・鶏糞を活用した取組事例3選を紹介
鶏糞の使い道3選
鶏糞は匂いが強く扱いづらいため、未処理で肥料にするしかなく、以前は多くが廃棄処分されてきました。
しかし、処理方法が進歩するにつれて、活用は徐々に進んできています。
ここでも鶏糞の使い道を3つ紹介するので、鶏糞の活用を検討する際の参考にしてみてください。
鶏糞は古くから肥料として使われてきた
鶏糞は古くから優秀な肥料として活用されてきました。
植物の成長に必要な三大栄養素である窒素、リン酸、カリウムが豊富に含まれているうえに、鶏糞の中にはカルシウムやマグネシウムといった微量成分もたくさん含まれているためです。
実際、今でも現地で使うのであれば、未処理でそのまま肥料として利用されているケースも少なくありません。
処理をする装置や手間も必要ないため、養鶏場の他に農業も行っている場合は、そのまま肥料として活用することも検討してみましょう。
ちなみに、鶏糞を肥料として活用する際は、植物を植えるときに混ぜ込む元肥として活用するケースが多いです。
燃料にしてバイオマス発電を行う
鶏糞を燃料にしてバイオマス発電を行っている養鶏所もあります。
そこで導入している装置は、鶏糞をボイラーで焼却した際に発生する高温・高熱の蒸気を使用し、タービンを回して発電するというものです。
ブロイラーの鶏糞は水分が少なく発熱量が大きいことから、二酸化炭素を多大に発生させる化石燃料を使わなくても焼却できるという利点があります。
さらに、焼却灰も肥料として再利用できるので、資源の循環にも繋がる取組みとして注目を集めている活用方法です。
メダカや金魚の餌として使える
特殊な例ですが、鶏糞をメダカや金魚の稚魚の餌として活用しているケースもあります。
鶏糞にはアンモニアが豊富に含まれており、餌としての栄養価が高いためです。
ただし、鶏糞を使用すると特有のにおいが発生するので、周りに迷惑をかける可能性があることを理解しておきましょう。
鶏糞の使い道を検討するなら炭化がおすすめ!その理由とは?
ここまで鶏糞の活用方法について紹介してきました。
状況に合わせた活用方法を選んで頂ければいいのですが、前処理には炭化がおすすめです。
なぜ炭化がおすすめなのでしょうか?
炭化することで匂いが大幅に軽減されるなどの多くのメリットがあるためです。
3つのメリットについて解説するので、内容をよく理解するようにしてください。
取り扱いがしやすくなる
鶏糞を活用する際に、炭化をおすすめする最大の理由は、「取り扱いがしやすくなる点」です。
炭化する工程の中で鶏糞に含まれる水分やにおい成分が蒸発するため、においを大幅に抑えることができ、取り扱いがしやすくなります。
この匂いが薄くなり取り扱いがしやすくなるメリットは多大です。
例えば、匂いが少ない炭化鶏糞なら、専業農家だけでなく住宅地で行うことになる家庭菜園でも肥料として使うことが可能になるため、購入してくれる層が幅広くなります。
また、流通もしやすくなるため、離れた場所に運ぶのも容易です。
鶏糞を販売しようと考えている場合は、炭化を検討してみてください。
肥料にするまでの作成時間が短い
炭化をおすすめする理由として、「肥料にするまでの作成時間が短い」ことも挙げられます。
従来の堆肥肥料を作る場合、原料を発酵させて製品になるまで約2〜3ヶ月の時間が必要です。
一方で、炭化鶏糞は炭化装置を利用すれば、原料から製品になるまで20分ほどしか掛かりません。
このように、大幅な時間短縮ができるため、大量に効率よく製品化することができます。
軽量であるため保管や運搬コストを軽減できる
「軽量化でき保管や運搬コストを軽減できる点」も炭化が優れている点です。
鶏糞は炭化する工程の中で、鶏糞に含まれる水分や尿素が蒸発するため、出来上がった炭化鶏糞は非常に軽量になります。
容量もおおよそ約1/3にまで減容されるため、保管コスト、輸送コストの低減に貢献が可能です。
製品化して販売する際に、保管コスト・輸送コストは決して馬鹿にならないので、非常に大きなメリットだと言えます。
鶏糞を活用した取組事例について紹介
実際に企業が行っている取組内容を紹介していきます。
前例を確認して、鶏糞を活用する際の参考にしてください。
株式会社愛鶏園の取組事例
関東にある採卵養鶏会社「株式会社愛鶏園」では鶏糞から肥料を作っています。
「株式会社愛鶏園」も、以前は飼育している230万羽の鶏から毎日総計約230トンの鶏糞を排出しており、鶏糞の活用方法に悩んでいました。
そこで、鶏糞の廃棄問題を解決するべく、2011年より堆肥事業を開始し、鶏糞の活用をスタート。
そこから、栄養素の配合や発酵の方法を試行錯誤しながら、商品開発に5年の歳月を掛けて完成したのが「みのり有機」、「愛菜華」という商品です。
現在では近隣の農家に対して圃場まで配送し、専用車のマニュアスプレッダーで散布するサービスを行うなど、地域に無くてはならない存在となっており、鶏糞の廃棄問題も解決することができています。
株式会社十文字チキンカンパニーの取組事例
鶏糞の処理に困っていた株式会社十文字チキンカンパニーは、鶏糞の処理問題を解決するために、2014年に鶏糞を燃料とするバイオマス発電所を導入しました。
さらに、燃焼後の灰は肥料原料として活用しており、資源の有効活用にも取り組んでいます。
なお、同発電所の発電量は1時間当たり約6,250kWで、年間約3,630万kWhをパルシステム電力に売電しています。
これは、一般家庭の約1万世帯分(年間)を賄える電力量に該当します。
出典:バイオマス発電所の建設について – 株式会社十文字チキンカンパニー
鶏糞を活用した発電に興味のある方は、ぜひ弊社へお問合せください。
岡養鶏場の取組事例
栃木県にある岡養鶏場は、炭化装置を利用して炭化鶏糞を製造しています。
実は、岡養鶏場も、炭化装置導入前は鶏糞は非常に匂いが強く流通が難しいことから廃棄していました。
しかし、資源保護の観点から炭化装置を導入。
鶏糞を炭化することで匂いを大幅に薄めて、製品化することに成功しました。
もちろん肥料としても非常に優秀であることから一般販売も行えるようになり、鶏糞の問題も解決できたと非常に喜んで頂けています。
昨今では、化成肥料の価格が高騰していることもあり、鶏糞を炭化できないかという問い合わせを多数頂いています。
鶏糞の炭化を検討している方は、弊社までお問合せください。
炭化鶏糞製造なら炭化装置がおすすめ
鶏糞は植物を育てる際の肥料やバイオマス発電所で使用する燃料など、幅広い用途で活用が可能です。
ただし、どの活用方法を選択するにしても、前処理として炭化することをおすすめします。
炭化することで、鶏糞特有の匂いを大幅に軽減できるうえに軽量化できるため、非常に扱いやすくなり、使用の幅を広げることが可能になります。
このため、鶏糞の活用を検討しているのであれば、炭化装置の導入も検討してみてください。
なお、炭化装置を検討する際は、弊社にお任せください。
最適な炭化装置をご提案することができます。
では、最後におさらいです。
この記事のまとめ
・鶏糞は古くから肥料として使われてきた
・鶏糞を使ったバイオマス発電がある
・鶏糞を再利用するなら炭化がおすすめ
・鶏糞を活用した取組事例3選を紹介