私達の食卓に欠かせないお米の生成過程で、必ず発生するのがもみ殻です。
日本の主食であるお米の生産量は多く、もみ殻も大量に発生しています。
再利用されるケースも増えてきていますが、依然として廃棄処分されるケースが多く、処分にコストもかかるため、悩んでいる方も少なくありません。
そこで、この記事ではもみ殻の再利用方法や活用事例について紹介していきます。
この記事で解説している内容は以下です。
この記事のまとめ
・もみ殻の約3割が再利用されずに焼却処分されている
・もみ殻の再利用方法は7つの方法がある
・もみ殻の再利用にくん炭をおすすめする3つの理由
・もみ殻の再利用の事例を4つ紹介
もみ殻の処理に困っている方は、この記事を参考にしてください。
もみ殻の約3割が再利用されずに焼却処分などされている
もみ殻は、全体の約3割が再利用されずに処分されています。
その多くが焼却処分されており、廃棄コストがかかるだけでなく、環境的にも悪い影響を与えているのが実情です。
とはいえ、環境問題への意識の高まりから、もみ殻の再利用を行う企業も増えてきており、もみ殻の再利用を検討する方も増えてきています。
廃棄されるもみ殻を再利用することでゴミが減るだけでなく、焼却によって発生していたCO2を削減することにもつながるため、積極的に取り組むようにしましょう。
もみ殻の再利用方法
もみ殻にはさまざまな再利用方法があります。
代表的なもみ殻の再利用方法は、以下の7つです。
・肥料として利用する
・家畜の飼料・敷料として利用する
・燃料として利用する
・木材として利用する
・くん炭にすることで様々な用途で利用できる
・活性炭にして水の浄化材として利用する
・マルチング材として利用する
上記の内容をよく確認したうえで、もみ殻の再利用方法について検討してみてください。
肥料として利用する
もみ殻は肥料として利用することができると言われています。
しかし、実はもみ殻自体に、植物の成長を助ける栄養素はほとんどありません。
微生物の増殖を促す効果があるため、米ぬかや鶏糞と混ぜ合わせることで、有機物の分解・発酵を促すことができ、植物が育ちやすい環境を整えてくれます。
このため、もみ殻を肥料として利用する際は、米ぬかや鶏糞と混ぜ合わせることを忘れないようにしてください。
家畜の飼料・敷料として利用する
もみ殻の再利用方法の中には、家畜の敷料・飼料として利用する方法もあります。
現に、米の収穫時に出たもみ殻を近隣の畜産農家へ供給することにより、家畜の敷料として活用したり、もみ殻を飼料に混ぜて混合飼料として利用してもらっている例は少なくありません。
このため、もみ殻の処分に困っているのであれば、近所の畜産農家へ問い合わせてみるのもいいでしょう。
燃料として利用する
もみ殻を「モミガライト」と呼ばれる燃料に加工して活用する方法もあります。
モミガライトとは、本来捨てられるはずのもみ殻を圧縮形成することで作成されてる、原材料が100%もみ殻の燃料です。
薪の代わりとして活用されており、薪と比べて燃焼時間が2〜3倍長いという特徴もあります。
また、湿気にも強く長期保存が可能なため、災害時用の備蓄燃料としても期待されている燃料です。
木材として利用する
もみ殻を圧縮して木材に加工する形で再利用しているケースもあります。
捨てられるはずの資源を、机や椅子などの日常生活で使用できるものに生まれ変わらせることができるため、環境にもやさしい取り組みです。
しかし、従来の木材と比較すると強度が落ちるため、椅子や机の家具などの部材などにしか利用できません。
仮に家具の要となる柱の部分に使用すると、壊れてしまう可能性が高いため、注意するようにしてください。
くん炭にして様々な用途で利用する
もみ殻をくん炭にすることで、様々な用途で使用できます。
例えば、土壌改良剤・消臭剤・調湿剤・水質浄化剤などです。
そのからくりは、くん炭にすることにより、炭特有の無数の孔が発生することにあります。
無数の孔は匂い成分や湿気を吸着するだけでなく、土中の微生物の棲家にもなり、増殖を促してくれるためです。
このように、もみ殻をくん炭にすることで、より用途の幅が大幅に広がるため、もみ殻の処理に困っているのであればもみ殻くん炭を選択肢に入れてください。
なお、もみ殻くん炭を作る装置であれば、弊社にお任せ。
最適な炭化装置をご提案するとともに、無駄のないように、必要に応じて熱利用などもご提案させて頂きます。
活性炭にして水の浄化材として利用する
活性炭にすることで、水の浄化材として、より効果が見込めるようになります。
賦活化することにより増えた無数の孔に水を通すことで、ほとんどの不純物を濾過できるためです。
しかも、副産物もあります。
活性炭(もみ殻の)を通して水を浄化することにより、健康をサポートするシリカ水を作ることが可能です。
もみ殻はシリカ(ケイ素)を多く含むため、濾過する過程で水にシリカが溶け出し、シリカ水が生成されます。
ちなみに、生成されるシリカ水は、コラーゲンやエラスチンなどの組織や細胞をつなぎ合わせる働きをするほか、腸内環境の改善、さらには骨を丈夫にする効果も見込め、骨粗しょう症の予防も期待されているほどのスーパーウォーターです。
高性能の水質浄化剤として使えるうえに、スーパーウォーターを副産できる、もみ殻活性炭に興味のある方は検討してみてください。
なお、賦活化をして活性炭化を目指す方は、弊社にお問合せください。
弊社は賦活化装置も取り扱っており、最適な装置をご提案することができます。
マルチング材として利用する
マルチング材とは、畑の地表面をビニールや腐葉土などのマルチング材で覆うことです。
もみ殻も、くん炭がマルチング材として利用されています。
ビニールマルチと違い通気性が良いので、地中の加湿や過乾を防ぎ、適度な水分量を保つ保水効果も高いためです。
このような効果があるため、もみ殻のマルチング材は、農業だけでなく、家庭菜園などでも利用されています。
もみ殻の再利用にくん炭をおすすめする理由
もみ殻の活用方法について、7つの活用方法を紹介してきました。
いずれも素晴らしい利活用方法ですが、弊社では、その中でも、もみ殻をくん炭にすることをおすすめしています。
もみ殻をくん炭にするメリットを3つ紹介しましょう。
農業利用ができる
もみ殻をくん炭にすることにより、農業利用ができるようになります。
当然、米の生産にも利用でき、ご自身で再利用できるのも、大きなメリットです。
なお、くん炭にすることで発揮される効果を以下にまとめたので、参考にしてみてください。
発揮される効果 |
詳細 |
保水効果がある |
籾殻くん炭の保水力は比重に対して600倍以上と言われています。これにより土の乾燥を防ぐことができます。 |
PH調整効果がある |
籾殻くん炭はアルカリ性なので石灰のように植え付け前に土に混ぜることで土を中性にすることができます。土が中性になることで、植物が育ちやすい環境を整える事ができます。 |
害虫予防効果がある |
アブラムシなどを寄せ付けない効果があります。アブラムシはもみ殻くん炭が発する臭いが苦手なため、土に撒くことで高い効果を発揮します。 |
上記のような効果があるため、マルチング材や土壌改良剤として利用することが可能です。
炭素貯留に貢献してJ-クレジットを申請できる
もみ殻を炭化することで、本来排出されるはずの二酸化炭素をもみ殻くん炭に閉じ込めることができるため、地球温暖化対策の一環となり、J-クレジットへの申請が可能です。
当然、J-クレジットへの申請が通れば、J-クレジットの売買ができるようになります。
そうすることで、J-クレジット制度で利益を得ることが可能になり、新たな収入源を手に入れることが可能です。
なお、J-クレジットについては、以下のページで詳しく解説しています。
また、公的サイトも一緒に載せておきますので、参考にしてください。
シリカの抽出にも利用できる
シリカはカラダが必要とするミネラルを豊富に含んでおり、肌の潤いを保ったり、髪や爪をきれいに保つ働きをするため、化粧水などの美容製品として使われることも多いです。
もみ殻を炭化することにより、このシリカを抽出することができます。
実際、化粧水などに利用することを目的に、もみ殻を炭化している実例は少なくありません。
もみ殻を再利用している事例4選
積極的にもみ殻を活用した、様々な取り組みを行っている企業は数多く存在します。
もみ殻の再利用方法を検討する際は、これらの実際の事例を理解しておくことが重要です。
ここでは、もみ殻を再利用している以下の4つの事例を紹介していきます。
・富山県射水市のもみ殻循環プロジェクト
・株式会社丹波西山の取組事例
・やまむファームの取組事例
・もみ殻を炭化して活用しているA社の事例
それぞれ解説していきますので、取組内容をよく理解していただき、再利用を検討する際のしてください。
富山県射水市のもみ殻循環プロジェクト
富山県射水市では、「もみ殻循環プロジェクト」として地元の産学官が連携して、もみ殻の再利用する取り組みを行っています。
もみ殻を再生可能エネルギー施設の燃料として活用したり、燃焼後の灰を肥料として再利用したりと、もみ殻を余すことなく活用しているのが特徴です。
ちなみに、再生可能エネルギー施設では電力供給に活用するだけでなく、発生した蒸気を利用した温水を園芸ハウスに供給するなど、無駄なく考えられています。
株式会社丹波西山の取組事例
株式会社丹波西山では、もみ殻100パーセントでつくる、新しいタイプの固形燃料「モミガライト」を作成しています。
この企業では、普段は農業を営んでおり、米をもみすりした際に発生するもみ殻の処分に頭を抱えていました。
当初は、近隣の酪農家の方に敷料や農家の方には土壌改良材として活用してもらうために、もみ殻の配布をしていましたが、それでも余っていたそうです。
現状は、薪にすることができるモミガライトにしており、販売数も徐々に増えています。
やまむファームの取組事例
やまむファームは、もみ殻を使った堆肥作りを行っており、ファーム内の肥料として利用しています。
もみ殻堆肥を土作りに投入することにより、保水性や排水性の改善が図れたそうです。
やまむファームのように、もみ殻をそのまま堆肥するのは時間と手間がかかりますが、大量に出るもみ殻を有効活用することができます。
ちなみに、やまむファームは、作成方法も発信されています。
もみ殻を炭化して活用しているA社の事例
A社は、弊社の炭化装置でもみ殻をくん炭にし、土壌改良剤として利用しています。
くん炭にすることにより、土壌のPH調整や保温、保水効果も期待でき、作物の出来が非常に良くなったそうです。
なお、A社ではもみ殻を土壌改良材として活用する以外にも、炭化する際に出る熱を利用してイチゴの温室栽培をしています。
炭化装置と連動することで、くん炭として利用できるだけでなく、イチゴのハウス栽培に掛かっていた灯油代を大幅に削減できたと喜んで頂けています。
もみ殻の再利用にはくん炭がおすすめ
もみ殻には家畜の飼料・敷料としての活用方法や燃料、水質改善剤など、さまざまな活用方法があり、それぞれ解説してきました。
いずれも魅力的な活用方法ですが、弊社では、もみ殻をくん炭にすることをおすすめしています。
くん炭にすることで、用途が広がるだけでなく、その効能も飛躍的に向上させられるうえに、くん炭にする際の熱を再利用することも可能なためです。
もみ殻の処理に困っている方は、もみ殻くん炭にして処理することを検討してみてください。
この記事で解説したポイントは以下になります。
この記事のポイント
・もみ殻の約3割が再利用されずに焼却処分されている
・もみ殻の再利用方法は7つの方法がある
・もみ殻の再利用にくん炭をおすすめする3つの理由
・もみ殻の再利用の事例を4つ紹介
なお、もみ殻をくん炭にする装置をお探しの方は、弊社までお問合せください。
熱利用も併せて、最適なご提案をさせて頂きます。