金沢機工株式会社
コラム

コラム

放置竹林の整備方法は?補助金内容や活用事例もご紹介

2022.03.14

炭化装置

たけのこ栽培のために植えられた竹や元々生えていた竹が、管理されずに放置されたものが放置竹林です。

 

この放置竹林が今、各地域で非常に問題視されています。

 

放置竹林によって土砂災害の危険性が増したり、野生鳥獣の住処となることで農作物への深刻な被害がでるなど、様々な問題が発生しているためです。

 

もちろん、これらの問題を解決するために、自治体や地域住民が竹林管理に取り組もうとしています。

 

しかし、人手が足りず放置竹林対策にまで手が回っていなかったり、伐採に必要な器具の購入などに多額の費用がかかることから、整備を断念してしまうのも珍しくありません。

 

そのため、この記事では有効な放置竹林整備方法や、これから竹林整備を始める方や自治体・企業に向けて、竹林管理するうえで活用できる補助金の内容や活用事例について詳しく解説していきます。

 

この記事のポイントは以下です。

 

 

この記事のまとめ

・竹を伐採して放置することで根を枯らし土に還らせる

・伐採した竹を竹チップや竹炭化して再利用する

・竹林管理をするうえで活用できる補助金制度をご紹介

・森林・山村多面的機能発揮対策交付金について

・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金について

・竹林整備事業補助金について

・森林・山村多面的機能発揮対策交付金の活用事例

・竹林整備事業補助金の活用事例

 

 

それぞれの内容をよく理解したうえで、放置竹林対策を行うようにしてください。

 

 

放置竹林の整備方法

 

竹林3

 

放置竹林が原因で、土砂災害などの深刻な問題が発生していることから、「放置竹林をどうにかしたい」と考える方も少なくありません。

 

しかし、整備方法が分からず戸惑っている方が多いのも事実です。

このため、ここでは放置竹林の整備方法について、対応策をご紹介していきます。

 

ポイントは以下の3つです。

 

・伐採して土に還らせる

・伐採した竹を竹チップや竹炭化して再利用する

・薬剤散布で枯らす

 

それぞれについて、解説していきます。

 

 

 

伐採して土に還らせる 

 

 

竹の幹を地面から1mの高さで伐採することで腐敗させる方法があります。

 

上記の方法は竹の成長する仕組みを利用したものです。

 

竹は根から水分を吸収し成長しますが、途中で伐採されることにより水分が各節に溜まり、最終的には切り口から水を吹き出し枯れていきます。

 

その状態で放置しておくことで、数年後には手で押し倒せる状態にまで至るのです

 

しかも、根から枯れてしまうので、再度成長してくる心配もありません。

 

 

 

伐採した竹を竹チップや竹炭化して再利用する

 

 

伐採した竹を「竹チッパ-」を活用してチップ化したり、炭化装置で竹炭化して再利用する方法です。

 

竹チッパーでチップ化されたものは、土壌改良剤として有効活用され、農家や家庭菜園をされている方から非常に重宝されています。

 

一方、伐採した竹を炭化装置で竹炭化したものは、土壌改良剤だけでなく、燃料・消臭剤・調湿材・水質改善剤など、多種多様な用途で利用が可能です。

 

このように、チップ化や竹炭化する取り組みなら、価値の低い竹を高価値のものに変換することができます。

出典:放置竹林の整備と竹の活用

 

それに伴い、竹林の整備をする人が増え、放置竹林の根本的解決も期待可能です。

 

竹を有価値化することが可能な炭化装置について興味のある方は、ぜひ下記ページを参照してみてください。

 

金沢機工炭化装置

 

なお、竹炭の価値については、別の記事で詳しく紹介しています。

 

知っておくべき!竹炭の驚くべき効果とは?活用事例も併せて紹介します | 金沢機工株式会社

 

薬剤散布で枯らす

 

 

薬剤を散布することで根を枯らし、生育できないようにする方法があります。

 

竹が生えている周辺に除草剤を散布し、時間をかけて根が腐敗することで成長を止める方法です。

 

ただし、周辺の土壌にも悪影響を及ぼしますので、あまりおすすめはできません。

 

 

 

放置竹林対策に使える補助金

 

電卓とお金

放置竹林への対応策について、詳細を詳しく解説してきました。

 

「竹チッパー」や「炭化装置」などの機械を購入して、ぜひ放置竹林対策に取り組んで下さいと言いたいところですが、「竹チッパー」や「炭化装置」などの機械は高額であるため、導入は容易ではありません。

 

しかし、安心してください。

 

国や地方自治体も放置竹林の存在を懸念しており、放置竹林対策に繋がる取組みを支援してもらえる制度が存在しています。

 

正しい知識を持って、放置竹林対策を行う際の助けにしてみてください。

 

ここでのポイントは以下です。

 

・森林・山村多面的機能発揮対策交付金

・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

・竹林整備事業補助金

 

どの補助金がご自身の事業に合うかを、確かめてみましょう。

 

 

 

森林・山村多面的機能発揮対策交付金

 

 

森林・山村多面的機能発揮対策交付金とは、地域住民等による森林や竹林の保全管理活動や整備等の共同活動取組を支援する補助金です。

 

取組内容としては大きく分けて「地域環境保全タイプ」と「森林資源利用タイプ」の2種類があります。

 

「地域環境保全タイプ」は、美しい里山林を維持するための景観保全・整備活動と侵入竹の伐採・除去や利用に向けた取組です。

 

「森林資源利用タイプ」は森林資源を木質バイオマス、炭焼き、しいたけ原木等に活用することを目的としています。

 

詳しい交付金の内容は、それぞれの取組内容によって変わるので、林野庁ホームページから確認しましょう。

 

出典:森林・山村多面的機能発揮対策交付金:林野庁

 

 

 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

 

 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは、中小企業や個人事業者等が取り組む革新的なサービス開発や、生産プロセスの改善による生産性の向上を行うための設備投資等を支援する補助金です。

 

補助金上限は一般型1,000万円、グローバル展開型は3,000万と定められています。

 

この補助金を活用することで、「竹チッパー」や「炭化装置」の購入に役立てることも可能です。

 

申請による不明点があれば、ものづくり補助金事務局サポートセンター(受付時間:10:0017:00)に問い合わせができるので安心です。

 

出典:ものづくり・商業・サービス補助金事務局「令和元年度補正・令和二年度補正

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金公募要領」

 

 

 

竹林整備事業補助金

 

 

竹林整備事業補助金とは、良好な里山環境の整備及び生物多様性の保全再生を図るとともに、竹林資源の有効活用を図ることを目的としています。

 

補助対象事業は3つです。

 

竹林の間伐を行う「竹林間伐事業」、竹林の皆伐を行う「竹林皆伐事業」、間伐・皆伐事業により発生した竹材を使用して堆肥等で再利用を行う「竹林利活用事業」となります。

 

補助金上限はそれぞれの事業で、1事業箇所につき50,000円です。

 

ちなみに、今回ご紹介している「竹林整備事業補助金」は愛知県美浜町の事例となりますが、自治体によって補助金の名前や詳細が異なるだけで同様の補助金制度がありますので、地方自治体のホームページなどで検索してみてください。

出典:美浜町「竹林整備事業補助金の交付」

 

 

 

放置竹林整備で補助金を取得した事例

 

会議

 

放置竹林整備に対する補助金内容については、3つの補助金について詳しく解説してきました。

 

補助金の内容は把握したけれど、どのように活用すれば良いかまで把握している方は多くないです。

 

そのためここでは、放置竹林整備で補助金を取得した事例について紹介していきます。

 

ポイントは以下です。

 

・森林・山村多面的機能発揮対策交付金の活用事例

・竹林整備事業補助金の活用事例

 

それぞれについて、説明していきます。

 

 

 

森林・山村多面的機能発揮対策交付金の活用事例

 

 

森林・山村多面的機能発揮対策交付金を活用したS社の事例をご紹介します。

 

S社は環境保全に関する清掃活動や森林管理、情報発信を行っている企業です。

 

S社の本社がある地域では高齢化が加速しており、以前から放置竹林が野生鳥獣の住処となり、農作物への悪影響が出るなどの問題が多発していました。

 

地域住民からは放置竹林への取組対応を依頼されており、一緒に取組方法を模索している中で、森林・山村多面的機能発揮対策交付金を知り、活用したそうです。

 

交付金を活用することで竹伐採に必要な道具や、伐採した竹を有効活用するための「炭化装置」を購入されました。

 

炭化装置は弊社の「単式炭化装置」を購入いただき、地域住民の手で伐採した竹を、炭化装置を活用し竹炭化することで、土壌改良剤や消臭・調湿材として地域住民に還元しています。

 

 

 

竹林整備事業補助金の活用事例

 

 

竹林整備事業補助金を活用した竹林利活用事業L社の事例をご紹介します。

 

L社は伐採した竹林を使った商品開発や活用方法の提案を行う企業です。

 

今回は竹林整備事業補助金を活用して、放置されていた竹林の間伐や皆伐により発生した竹材を使用しチップ化することで、堆肥として再利用する取組みを行いました。

 

放置竹林の課題解決に繋がるとともに、放置竹林を堆肥として再利用できる取組として注目を集めています。

 

 

 

まとめ

 

ノート

放置竹林により引き起こされる土砂災害などの問題は年々深刻化してきており、改善は急務とも言えます。

 

しかし、竹林管理をしている方の高齢化や担い手不足により状況は悪くなる一方です。

 

竹林管理には伐採するための器具などの購入費用もかかるため、簡単に始められるものではないこともその一因です。

 

そのため、この記事では放置竹林への整備方法や、竹林整備に活用できる補助金の内容、活用事例について詳しく解説してきました。

 

ぜひ取組内容を参考にして頂きながら、放置竹林対策について正しく理解してください。

 

この記事で解説したポイントは以下です。

 

 

この記事で解説したポイント

・伐採した竹を竹チップや竹炭化して土壌改良剤として再利用する

・竹を伐採して根を枯らすことで土に還らせる

・森林・山村多面的機能発揮対策交付金とは森林や竹林の保全管理活動を支援する内容

・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは生産性の向上を行うための設備投資等を支援する内容

・竹林整備事業補助金とは竹林資源の有効活用を図ることが目的

・放置竹林整備で補助金を取得した事例を2例紹介

 

 

この記事を読んで、放置竹林に対する正しい知識をつけて、放置竹林の整備を進め、竹材の有効活用を検討してみてください。

 

なお、竹林整備に炭化装置の利用を検討している方は、弊社にお問合せください。

事業化や補助金の活用についても、全力で補助させて頂きます。


page
top