皆さんの中には、予防保全とは何をするべきなのか、どのようなメリットがあるのか気になる方も多いのではないでしょうか?
予防保全は導入しているかしていないかで、機械や設備の故障や不具合に大きな影響を与えます。
まだ導入を迷っていたり、予防保全を行っていなければ、これからご説明する内容をチェックして、ご自身の会社に必要かどうか検討してみることをおすすめします。
それでは、予防保全とは何か、その種類やメリット・デメリットについてご説明しましょう。この記事を最後まで読むことで予防保全の必要性がわかるので、是非とも参考にしてみてください。
予防保全とは
予防保全とは、機械や設備の故障や不具合を防ぐため、定期的に点検・メンテナンスを行う方法です。
点検やメンテナンスを怠らないようにすることで、さまざまなトラブルや事故につながる故障や不具合を未然に防ぐことができます。
予防保全の徹底は業務効率化の実現だけでなく、作業中の事故などをはじめとするトラブルから作業員の身の安全を守ることにつながるでしょう。
予防保全の種類
予防保全の種類は、以下の通りです。
・時間基準保全
・利用基準保全
・状態基準保全
それでは、それぞれの種類についてご説明しましょう。
時間基準保全
時間基準保全とは、TBM(Time Based Maintenance)と呼ばれる方法であり、時間を決め一定の間隔で保全業務を行うことで、故障や不具合といったトラブルを未然に防ぎます。定期点検もその一種です。
時間基準保全を採用するにあたって大切なのは、長すぎず短すぎない時間の間隔を決めることが重要です。
短すぎると保全業務の回数が増えるため作業コストや費用がかかりやすくなりますし、長すぎると点検の前にさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
適切な間隔を設定できるかどうかが、無駄なく保全業務ができるかどうかにつながるでしょう。
利用基準保全
利用基準保全はUBM(Usage-based Maintenance)とも呼ばれ、累積稼働時間によって保全業務を行う間隔を決めていきます。
累積稼働時間を決めるときは、機械や設備の製造元の推奨利用回数を基準として、対象となる機械や設備の利用状況を記録してから行わないと難しいでしょう。
1日の平均利用時間を計算して、基準となる累積利用時間に近づいてきた時点で保全業務を実施するのがポイントです。
状態基準保全
状態基準保全とは、CBM(Condition Based Maintenance)とも呼ばれています。
すべての機械や設備の状態を確認し、このままでは故障や不具合の原因になる部品などを交換・修理してトラブルを未然に防ぎます。
機械や設備は同じ時間、同じ回数を利用しても、環境や死蔵品目によって劣化するスピードが大きく違ってきます。
そのため、一定の周期で行う時間基準保全や利用基準保全では、まだ使える部品も同時に交換することになり、余分な作業コストが発生してしまいます。
状態基準保全であれば機械や設備の状態に応じて保全業務を行うため、どのようなタイミングで修理や部品の交換をすればいいのかの基準を決められ、コストなども抑えることができます。
予防保全のメリット
予防保全のメリットは、以下の通りです。
・品質低下の防止
・ダウンタイムの最小化
・業務効率の向上
・設備の長寿命化
それでは、予防保全のメリットについて詳しくご説明していきます。
品質低下の防止
予防保全を怠っていると、機械や設備の故障や不具合などを見抜くことができず、製品製造の作業工程に問題が発生した場合、品質低下を招く恐れがあります。
トラブルが起きてからでは遅いですし、劣化が進めば製品の品質にも大きな影響を与えてしまいます。劣化した状態で製品を製造し続ければ品質は低下し、不良品や廃棄品が増える可能性も高くなるでしょう。
製品製造に使用する原料や資源も無駄になりやすいため、開発・製造コストも増加します。
そこで予防保全を導入して安定した品質を維持できれば、トラブルを未然に防げるだけでなく、不良品や廃棄品が少なくなるため原料や資源の無駄も極力抑えられるのがポイントです。
ダウンタイムの最小化
もしも機械や設備が故障したり、不具合が発生した場合、修理が完了するまでそれらを稼働させることはできません。
修理に必要な部品を取り寄せたり、メンテナンスに時間がかかるため、長期間のダウンタイムが発生してしまいます。
しかし、定期的に予防保全を実施していれば、故障や不具合を未然に防げるためダウンタイムを回避でき、生産性向上にもつながるでしょう。
業務効率の向上
故障や不具合が起こると機械や設備が稼働できなくなるため、その分の業務が滞ってしまいます。
未然に故障や不具合などのトラブルを防げていれば機械や設備を止める必要性はありませんが、稼働できなくなれば業務効率が一気に悪くなります。
予防保全を徹底すれば、故障や不具合などのトラブルも減り、業務効率の向上も実現できるでしょう。
設備の長寿命化
予防保全を行うことで、機械や設備の長寿命化が実現できるのも大きなメリットです。
機械や設備の故障や不具合が発生すると、故障・不具合を起こした部位以外にも何らかの負荷がかかります。
機械や設備は基本的に修理と故障を繰り返すことで徐々に寿命が短くなっていくため、故障や修理などの回数が多くなればなるほど買い替えコストが発生しやすくなります。
予防保全を行っていれば故障や不具合を起こす頻度が減らせるため、機械や設備への負荷も減り長寿命化につながるでしょう。
予防保全のデメリット
予防保全にはさまざまなメリットがありますが、一方で定期的なメンテナンスを行うため、異常の有無にかかわらず作業コストが発生してしまうことがデメリットとして挙げられます。
確かに重要な業務とはいえ、すべての機械や設備を徹底的に点検・メンテナンスを行うのはかなりの労力や費用が必要になってきます。
可能な限り労力や費用をかけないようにしつつ予防保全を行うためにも、業務を実施する間隔の基準を決めることが重要になってきます。
予防保全と予知保全の違い
予防保全は、機械や設備の故障や不具合を防ぐために、定期的に決められたスケジュールで保全業務を行います。
一方の予知保全はスケジュールに関係なく、トラブルが起きそうなタイミングを予知して適切に対処する方法です。
予防保全よりも予知保全を行ったほうが業務効率の向上が見込めるでしょう。
そのような予知保全をぜひ取り入れてみたいという方は、金沢機工株式会社が提供している「機工報」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
「機工報」とは外れ値検出診断レポート自動生成ツールであり、予防保全を行うのに役立つ機能を揃えています。製造ラインで取得できる膨大なデータを解析・可視化し、データ分析や運用シミュレーション、レポートの自動生成などが可能です。
さまざまなデータから設備や装置の不具合を検知してくれるので、初めて予防保全を実施する場合はおすすめです。今なら1ヶ月間無料で利用できる体験版があるので、気になる方は是非とも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
トラブルを防ぐためにも予知保全の導入を検討しよう
機械や設備は大変デリケートなものであり、稼働させ続けることで徐々に劣化していきます。
そして気づかないうちにトラブルを起こしてしまい、原因究明や修理・交換などのために停止させなければならないので業務効率が一気に悪くなるでしょう。
これらはすべて予防保全を行うことで未然に防げるため、時間、利用、状態のいずれかの基準で保全業務を行うことが大切です。