最近、イノシシやシカを食べられるジビエ専門店を、街でよく見かけるようになりました。
また、ジビエ料理は食べて美味しいだけでなく、鳥獣被害で苦しむ方を救う一手になるため、社会貢献も兼ねてジビエ事業に乗り出す企業も増えてきています。
しかし、注目を集める一方で、課題は決して少なくありません。
例えば、ジビエ事業を始めても、中々採算が取れないことを懸念して、せっかく乗り出した企業が断念してしまうことです。
また、命を頂戴しているにも関わらず、ジビエ化されずに焼却・埋設処理されていることも大きな課題といえます。
弊社はそういった課題を問題視し、DMM Agri Innovationと事業提携。
弊社が取り扱う炭化装置と呼ばれる、廃棄物を炭にすることで資源化出来る装置と、DMM Agri Innovationの営業企画力を駆使し、採算化できるジビエ事業をご提案しています。
この記事では、上記のジビエ事業について詳しく紹介していきますので、ジビエ事業を検討している方は参考にしてください。
なお、この記事で知ることのできる内容は以下です。
この記事のまとめ
・ジビエが抱える最大の課題は食肉利用されている数が圧倒的に少ないこと
・炭化装置は廃棄物などの有機物を熱分解して炭にすることができる装置
・炭化装置とジビエは非常に深い繋がりがある
・石川県羽咋市では全国初となる「イノシシ用の炭化装置」を導入
・DMMジビエパッケージはジビエが抱える3つの課題を解決してくれる
ジビエ事業は採算が取りにくい
ジビエという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、実際に食べたことがある方は少ないのが現状です。
さらに、供給が安定しないことも連なり、既存のジビエ事業は採算が取りにくいと言われています。
ジビエとは
ジビエとは狩猟によって捕獲した、食用利用できる野生の鳥獣(シカやイノシシなど)のことです。
このジビエの語源はフランス語の「gibier」で、食材となる野生鳥獣肉を意味しています。
歴史を見てみると、古くからヨーロッパでは貴族の伝統料理として食されてきました。
例えば、フランスでは、ジビエを使った料理は自分の領地で狩猟ができる、上流階級の貴族の口にしか入らないほど貴重な食べ物だったため、フランス料理界では古くから高級食材として重宝され、高貴で特別な料理として愛され続けてきています。
ちなみに、日本でも徐々にジビエが浸透してきており、今ではレストランや旅館の名物料理として提供されるケースも多いです。
その背景には農林水産省が、今まではなじみが薄く、需要も低かった食肉利用の取組を、全国的に推進するサポートしていることが大きく影響しています。
例えば、捕獲した鳥獣の加工処理施設の整備や、鳥獣を用いた商品の開発、販売・流通の経路の確立などです。
参照:農林水産省 「ジビエを推進している背景を教えてください。」
ジビエの対象動物について
ジビエとして日本で狩猟をしていい動物(狩猟鳥獣)は法律で決まっています。
その数、合計48種類で、野鳥28種類、野獣20種類です。
それぞれの詳細に関しては以下の表にまとめています。
・野鳥28種類
カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、カワウ、ゴイサギ、マガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、ヤマシギ、タシギ、キジバト、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ、スズメ、ムクドリ、キジ、コジュケイ、バン、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス |
・野獣20種類
イノシシ、ニホンジカ、ツキノワグマ、タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、テン、イタチ、チョウセンイタチ、ハクビシン、タイワンリス、ノウサギ、シマリス、ヌートリア、ユキウサギ |
ジビエについては、以下の記事で詳しく紹介していますので、気になる方は確認してみてください。
鳥獣被害の軽減にも繋がる。今注目が集まっているジビエ取組をご紹介
ジビエは捕獲量に対して食肉利用が非常に少ない
ジビエは捕獲量に対して、食肉利用されている数が圧倒的に少ないと言われています。
現状、捕獲されたほとんどの鳥獣は、埋設処理されるか焼却処理されているためです。
このため、捕獲量は十分にあるにも関わらず、流通量が圧倒的に足りていません。
そのこともあり、ジビエ事業を軌道に乗せることが難しく、撤退してしまう企業は数多いです。
DMMとの事業提携で生まれたジビエパッケージ
弊社ではジビエの食肉の問題を解決するために、㈱DMM Agri Innovationと事業提携を行い、ジビエ簡易加工処理施設と残渣炭化装置のパッケージ販売を行っています。
食肉に出来る部分はジビエとして販売したうえで、食肉として利用できない部分を廃棄物として取り扱うのではなく、炭化装置を利用して資源化するというスキームです。
ここでは、DMMとの事業提携で生まれたジビエパッケージについて、詳しくご紹介していきます。
ジビエ事業で抱えがちな課題
ジビエ事業では、以下の4つの課題を抱えがちです。
- ・食肉利用出来ないような状態の野生鳥獣は引き受けられず、猟師の持ち込むハードルが高い
- ・許可が厳しく、ジビエ加工施設の建設費が非常に高額
- ・販売先が確保できず、流通が安定しない
- ・解体などの専門技術が必要なため、新規では参入しにくい。
既存の施設では、上記のような課題を抱えがちであるため、ジビエ事業を黒字化するのは難しいと言われています。
DMMジビエパッケージの特徴
DMMジビエパッケージには、前述した課題を解決できる特徴が以下の4つあります。
- ・残渣や流通基準に見合わないものは、炭化装置にて炭化し資源化することで、様々な状態のジビエでも引き受けできるため、猟師の持ち込むハードルが下がる
- ・出来る限りの簡易化をして、既存のジビエ施設よりも建設費が大幅に少ない
- ・肉の販売までサポートしてくれるため、流通を安定させられる
- ・炭化装置で残渣などを資源化できるため、残渣の産業廃棄費用を削減できる
特に、ジビエを始めるにあたり、問題になりやすい肉の廃棄物問題を、解決できるのが大きな特徴です。
事例:Aさんの場合
Aさんは、ジビエ加工からジビエ料理を提供する会社を立ち上げようとされていました。
しかし、加工施設の建築費が高いことや、残渣廃棄の問題があり、それが解決できないと始められないと思い、解決方法を探されていたそうです。
上記の問題の解決方法として、インターネットで見つけて頂いたのが、「DMMジビエパッケージ」でした。
コンパクトで設置しやすく、廃棄物の問題も解決できるうえに、他社と比較しても
安価だったため、設置することにしたそうです。
今では、猟師さんの持ち込みも増えており、事業も軌道に乗っておられます。
初期設備として、導入してよかったという声も頂きました。
DMMパッケージの炭化装置について
この記事で紹介してきたDMMパッケージには、弊社が取り扱う炭化装置を利用して頂いています。
しかし、炭化装置と聞いて、どんな装置か思い浮かぶ方はほとんどいないのではないでしょうか?
そこで、ここでは炭化装置について詳しく解説します。
炭化装置の概要を正しく理解して、今後の環境保全取り組みの参考にしてください。
炭化装置とは
炭化装置は捨てられるはずの有機廃棄物を、熱分解して炭にすることができる装置です。
使い方によっては、焼却炉と比較して二酸化炭素排出を大幅に抑えることが可能で、環境的に廃棄物を処理できる特徴があります。
しかも、炭化により発生した炭は、燃料・土壌改良材・調湿消臭剤・水質改良材といった資源として再利用可能です。
このように、本来捨てられるはずの廃棄物などが資源となり、再利用されることから、世界でも注目を集めているSDGsの取り組みとしても有効です。
出典:機械部品・工作機械|機械工具取扱専門商社 金沢機工株式会社|炭化装置
炭化装置とジビエの関係性
あるジビエ加工施設では、ジビエとして利用されない鳥獣やジビエ利用後の残渣を、炭化装置で資源化する取り組みを行っています。
他にも、ある自治体では、ジビエとして利用出来ない「捕獲後時間が経過し過ぎて鮮度が保たれていない」・「病気を持っているため、食肉利用出来ない」個体を、炭化装置で環境的処理に処理してもらっている状況です。
このため、炭化装置とジビエの繋がりは非常に深いものといえます。
廃棄するのではなく、廃棄物を資源化して、環境的でサスティナブルな循環を創り出すためには、炭化装置は欠かせないものです。
全国初となるイノシシ用の炭化装置の取組をご紹介
石川県羽咋市では、全国初となる「イノシシ用の炭化装置」の導入を行い、イノシシの骨や皮、内臓を丸ごと有効活用できるように炭にし、農作物や植樹用の肥料として製品化を行っています。
この取り組みの発端は、地域振興に活用出来るように、捕獲したイノシシ肉を使ったお土産などの商品開発を行う「のとしし大作戦」を羽咋市がスタートさせたことです。
「のとしし大作戦」スタート時は、イノシシの食肉として利用される部分は重宝されていましたが、内臓や骨などの残渣は産業廃棄物として焼却処分していました。
しかし、「のとしし大作戦の心得」にもあるように、イノシシのすべてを活用していくという想いもあり、すべてを利用できる装置を探されていたのです。
そこで、残渣を炭化し、肥料として扱うことで、廃棄物として放置すること無く資源化することができる炭化装置に着目して頂きました。
実際、自然循環型の取り組みとして、日本中から注目を浴びています。
出典:【動画付き】能登のイノシシを利活用 羽咋市と地域一体で取り組む「のとしし大作戦」|マイナビ農業
まとめ
近年、ジビエが注目を集める一方で、ジビエ料理用に捕獲された獲物でも、食肉利用されるのはほんの一部であり、そのほとんどが埋設処理か焼却処理されています。
そのこともあり、ジビエ事業は流通が安定せず黒字化が難しいと言われてきました。
弊社は、この事態を問題視してDMM Agri Innovationと事業提携。
「DMMパッケージ」というジビエ事業のスターターセットを提供しております。
そこで、この記事では、この「DMMパッケージ」の概要と、パッケージの中で使われている炭化装置に詳しく解説してきました。
この記事で解説したポイントは以下です。
この記事で解説したポイント
・ジビエとは狩猟によって捕獲した食用の野生の鳥獣のこと
・ジビエとして日本で狩猟をしていい動物(狩猟鳥獣)は野鳥28種類、野獣20種類
・ジビエが抱える最大の課題は食肉利用されている数が圧倒的に少ない事
・炭化装置とは捨てられるはずの有機廃棄物を熱分解して炭にすることができる装置
・炭化装置とジビエは非常に深い繋がりがある
・石川県羽咋市では全国初となる「イノシシ用の炭化装置」を導入
・DMMジビエパッケージはジビエ事業が抱える4つの課題を解決してくれる
この記事を読んで、ジビエに関する正しい知識をつけて、ジビエ事業参入を検討してみてください。
ジビエ事業参入を検討されている方は、ぜひ弊社までお問合せをお願いします。