企業や国の関心の高まりから、目にする機会が増えたSDGsですが、「SDGsについて掲げられている17の目標とは?」や、「私達でも出来ることはあるの?」などの疑問を持っている方は少なくありません。
SDGsについて目にする機会が増えても、17の目標の詳細まで把握している人は少ないためです。
では、SDGsの17の目標とはどういったものなのでしょうか?
17の目標とは、SDGsで掲げられている世界共通の達成目標のことです。
17の目標を理解しておくことで、日常生活で行う取り組みがどの目標につながるのかを意識しながら活動することが出来ます。
そこで、今回の記事ではSDGsの「17の目標」や「日常生活で行える取り組み」について解説していきます。
SDGsについて興味がある方はこの記事をぜひ参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・SDGsとは「持続可能な開発目標」のこと
・SDGsは世界で注目されている取り組み
・SDGsには17の目標と169のターゲットがある
・SDGsは私たちの日常生活で身近なところから始められる
SDGsの意味や注目されている理由
SDGsの取り組みを始める前に、そもそものSDGsの意味や注目されている理由などをしっかりと理解しておくことが重要になります。
そのことを理解できていないと、活動が本来の目的とズレてしまう可能性があるためです。
このため、ここではSDGsの意味や注目されている理由について解説していきます。
SDGsの意味を理解して、価値のある活動を行う参考にしてください。
SDGsの意味
SDGs(エス・ディー・ジーズ)とはSustainable Development Goalsの頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」です。
2015年に国連で開催されたサミットにおいてSDGsの取り組みが行われることが採択され、2016年から取り組みが世界中で行われています。
ちなみに、SDGsは17の目標と169のターゲットから構成されており、これらは2030年に達成する世界共通の目標として掲げられたものです。
SDGsとはどのような取り組みか
SDGsは以下の問題を解決するために、取り組まれ始めました。
- ・貧困
- ・飢餓
- ・質の高い教育の提供できていない
- ・ジェンダー平等でない
- ・気候変動などの社会が抱える問題
上記の問題を解決して、すべての人たちにとってより良い未来を作るために、17の目標と169のターゲットが設定されています。
そして、現在は、この17の目標に対して国や企業が知恵を絞り、時には国をまたいで協力し合って、様々な取り組みを行っている状況です。
SDGsがなぜ注目されているのか
SDGsの取り組みは世界中で非常に関心が高く、日本でも企業の取り組みが加速しており、その取り組みがニュースなどで報道されることで注目を集めています。
では、なぜこれほどまでにSDGsの取り組みが加速しているのでしょうか?
それは、自然環境破壊や環境汚染による異常気象、貧困による格差、地域紛争など、さまざまな社会問題が発生しており、私たちの生活にも影響が出始めているためです。
このままでは人が満足して生活できる環境では無くなることが懸念され、世界でも危機意識が高まっています。
しかし、もちろんそれだけではありません。。
企業がSDGsの取り組みを行うことは、投資家や消費者からのブランドイメージが向上するなどのメリットがあるため、ビジネスチャンスと捉える企業が増えたことも、SDGsが注目されている要因の一つです。
SDGsで掲げられた「17の目標」
SDGsの取り組み内容である17の目標は環境問題や人権問題などの世界が抱えている様々な問題を解決に導くための目標です。
17のそれぞれの目標について、具体的な取り組み内容が設定されていますので詳しく解説します。
※出典:国連開発計画(UDNP)
1.貧困をなくそう
取り組みのテーマは「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」になります。
現状、全世界で8億人以上が、今でも十分な食料やきれいな飲み水、衛生施設を利用できていません。
生活するうえで必要な基本的なサービスを受給できていない人がいる現状が、「貧困をなくそう」の課題です
2.飢餓をゼロに
取り組みのテーマは「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」です。
現状、世界では極度の貧困と栄養不良が多くの国で発生しており、餓死する人も珍しくありません。
この飢餓の課題を解決するために、「あらゆる形態の飢餓と栄養不良に終止符を打ち、社会的弱者や子どもを始めとする全ての人が1年を通じて、栄養のある食料を十分に得られるようにする」という目標が掲げられています。
3.すべての人に健康と福祉を
取り組みのテーマは「あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」になります。
具体的には、医療を完全に普及させ、すべての人が安全で効果的な医薬品とワクチンを利用できるようにする取り組みです。
実際、SDGsの前身「MDGs」が策定されて以来、妊産婦の死者や予防可能な病気による子どもの死者は大きく減少しています。
しかし、5歳の誕生日を迎えられずに命を落とす子どもは、依然として600万人を超えているのが現状です。
このため、世界には満足な医療や福祉を受けることが出来ない人がいる状況を、変えるための取り組みが続けられています。
4.質の高い教育をみんなに
取り組みのテーマは「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」です。
例えば、西アジアと北アフリカでは、武力紛争の長期化によって、学校に通えない子どもの割合が増えています。
このように、世界には学校に通うこと出来ない子どもが数多くいることを問題視し、この状況を少しでも変えていこうとする取組です。。
5.ジェンダー平等を実現しよう
取り組みのテーマは「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」です。
日本やアメリカでは関係ないと思うかもしれませんが、実は女性差別は発展途上国だけでなく、先進国においても存在しています。
そのため、女性の基本的人権を守るために、職場や学校などにおけるハラスメントを無くす取り組みが重要です。
6.安全な水とトイレを世界中に
取り組みのテーマは「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」です。
日本では実感しがたいですが、現在でも世界中で安全な水が提供されていないエリアがあり、そういったエリアでは不衛生な川の水などを飲んでいます。
このような水の問題は、絶対に解決しないといけない問題として、全世界で認識され、解決に取り組まれているのです。
7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに
取り組みのテーマは「すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」です。
現状では、世界中で電気の需要が増大し、安価なエネルギーに対する需要も増えた事で、化石燃料に依存して温室効果ガスの排出量増大を引き起こしています。
こういった化石燃料頼みのエネルギー供給を辞め、風力発電などのクリーンエネルギー変えることで、環境改善を目指すという取り組みです。
8.働きがいも経済成長も
取り組みのテーマは「すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する」です。
現状、極度の貧困の下で暮らす労働者の数は劇的に減少しているものの、まだまだ世界中で数多くの失業者がいます。
こういった問題は深刻で、危機感を覚えている方も少なくありません。
そのため、この取り組みを通して、失業率などが大きく改善されることが期待されています。
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
取り組みのテーマは「強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」です。
現状、今でも約40億人がインターネットを利用できていないと言われており、その90%は開発途上地域に暮らしています。
そのため、そういった地域の人では、インターネット上にある膨大な情報や知識へのアクセス機会がありません。
こういったことを問題視し、世界中どこにいってもインターネットに接続できる環境を作ることで、デジタル格差を無くすという取り組みが進められています。
10.人や国の不平等をなくそう
取り組みのテーマは「国内および国家間の格差を是正する」です。
現状、世界では最富裕層と最貧困層の所得拡大が広がり続けています。
この問題を解決するために、金融市場・機関の規制と監視を改善し、必要性が最も大きい地域に対する開発援助と外国直接投資を促す取組みが行われているのです。
11.住み続けられるまちづくりを
取り組みのテーマは「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」です。
現状、開発途上地域における都市の急成長により、農村部から都市部への移住者の増加し、極度の貧困が都市部で集中的に発生しています。
こういった都市を安全かつ持続可能にする為には、安全で手頃な価格の住宅へのアクセスを確保し、スラム地区の改善を図ることが必要です。
上記のような取り組みが「住み続けられるまちづくりを」の取り組み例として挙げられています。
12.つくる責任 つかう責任
取り組みのテーマは「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」です。
具体的には、小売店と消費者による1人当たり食品廃棄量を全世界で半減させることで、より効率的な生産とサプライチェーンを構築するという取り組みが行われています。
上記のような取り組みを行うことで、基本的ニーズを満たす食料や資源を消費出来ていない人に効率的に食料を行き渡ることが可能です。
13.気候変動に具体的な対策を
取り組みのテーマは「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」です。
近年、気候変動の影響による台風、洪水、自然災害の地震や津波による被害額は膨大な金額になっており、この問題解決のために掲げられた取り組みになります。
弊社のCO2削減を目的とした炭化装置の推進も、この取り組みです。
炭化装置を利用することで、廃棄物処理で出るCO2を極力抑えることが出来ます。
炭化装置を利用した取組みに興味のある方は、一度弊社にお問合せください。
なお、炭化装置の詳細を知りたい方は弊社HPに記載してあります。
14.海の豊かさを守ろう
取り組みのテーマは「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」です。
世界中で漁業資源の30%が乱獲されたことに加え、陸上からの排出が主原因であるプラスチックゴミの増大により海洋汚染が広がったことを、課題としています。
この課題を解決する為の代表的な取組みが、ストローを紙にするなどの取組みです。
15.陸の豊かさも守ろう
取り組みのテーマは「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」です。
現状、地球はかつてない土地の劣化に直面しています。森林の伐採による気候変動への影響により、干ばつや砂漠化も年々深刻化し、農地が消失するなどの問題も起きている状況です。
この問題を解決するために、
植林活動などを行って森林を守るなど、生態系を保全する取り組みが行われています。
16.平和と公正をすべての人に
取り組みのテーマは「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」です。
現状、世界では紛争や治安悪化などの情勢不安に陥っている地域が存在しており、世界中で問題視されています。
この問題を解決するために、政府や様々な団体が協力し、情勢不安の恒久的な解決を目指している状況です。
17.パートナーシップで目標を達成しよう
取り組みのテーマは「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」です。
SDGsにより世界各国でパートナーシップを結び、協力し合う事で、持続可能な成長と開発の達成を実現する事を目指しています。
SDGsの取り組みで私たちの日常生活で出来ることとは?
SDGsの取り組みに関しては、国や企業でないと出来ないというものではなく、実は私たち一人ひとりの日常生活の中で始められることも多いです。
ここでは、日常生活で始められる代表的な取り組みを、以下の3つのパターンに分けて紹介していきます。
・環境を意識した取り組み
・食品のフードロスを意識した取り組み
・人権や生活水準を意識した取り組み
なお、SDGsの取組みについては以下の記事でより詳しく解説しています
SDGsとはどのような取組か?SDGsの意味や取組内容についてわかりやすく解説
環境を意識した取り組み
環境を意識した取り組みは、SGDs17の目標の中の「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」に繋がり、非常に重要な取り組み課題です。
下記の2つの例を参考に、日常生活で取り組みを実践してみてください。
こまめに節電・節水する
生活の中で節電、節水することで不要なエネルギーの使用を抑え、地球温暖化に影響する排出効果ガス排出の抑制に繋がります。
具体的な取り組み事例としては以下です。
- ・部屋の電気やテレビをつけっぱなしにしない
- ・エアコンの温度を過度に上げ下げしない
- ・洗濯機に使う水は前日のお風呂の水を使用する
このように簡単に始められる事例も多いので、実践するようにしてください。
ゴミ拾いなどのボランティアに参加する
地域や企業団体により実施されているゴミ拾いのボランティアに参加し、ゴミを拾うこともSDGsの取り組みになります。
地上に捨てられたゴミは風に飛ばされたり川に流されるなどして、海に流れていき、マイクロプラスチックとして海洋の生態系に大きな悪影響を与えるためです。
それを防ぐためにも、ゴミ拾いなどのボランティアに参加することや、日常生活でも道に落ちているゴミを拾うなどの取組みは非常に有効だと言えます。
食品のフードロスを意識した取り組み
食品のフードロスを意識した取り組みは、SGDs17の目標の中の「12.つくる責任 つかう責任」に繋がる非常に重要な取り組み課題です。
では、どういった事例があるのでしょうか?
スーパーなどで「見切り品」「訳あり品」や消費期限が近い商品を積極的に購入することが、この取り組みに繋がります。
形や見た目の劣る野菜、パッケージに傷がある加工食品や消費期限が近い食品は放置しておくと廃棄される事が多いためです。
購入する事で、食品が廃棄されることを防ぎ、食品ロスの取り組みに貢献出来ます。
人権や生活水準を意識した取り組み
人権や生活水準を意識した取り組みは、SGDs17の目標の中の「3.すべての人に健康と福祉を」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「10.人や国の不平等をなくそう」に繋がり、非常に重要な取り組み課題です。
では、どういった取り組みがあるのでしょうか?
それは寄付・募金です。
世界では多くの難民の方や貧困に苦しむ方が多く、十分な教育を受ける事が出来ないことも珍しくありません。
上記のような問題を解決する方法のひとつとして、支援団体を通じて寄付や募金を行う方法が挙げられます。
たとえ、数百円の寄付であっても、子ども用の学習道具や病気を予防する経口ポリオワクチンなどの購入に繋がるため、SDGsについて何か取り組みをしたい人は寄付や募金をするようにしてください。
まとめ
私たちが日常生活でSDGsの取り組みを行う際は、どのような取り組みがSDGsの「17の目標」に当たるかを、理解しておくことが非常に重要になります。
理解しておくことで、日常生活で行えるSDGsの取り組みを知るきっかけになるためです。
そのため、この記事ではSDGsの17の目標や、私たちの日常生活でSDGsに繋がる取り組みをとしてどのような事が出来るのかを解説してきました。
SDGsについてこの記事で解説したポイントは以下です。
・SDGsは持続可能な開発目標
・SDGsの取り組み内容は「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されている
・SDGsは世界が抱えている課題に対して取り組む事になるため、企業として社会的責任を果たしている事に繋がり、取り組みが加速している事で注目を集めている
・日常生活でも簡単に取り組めることは多い
この記事を参考にして頂き、SDGsの17の目標についてくわしく理解するようにしてください。