炭素固定とは、二酸化炭素に含まれる炭素を固定することを指し、その方法は様々です。
固定することによって大気中の二酸化炭素の排出量削減につなげることが可能になります。
この記事では、炭素固定の概要や具体的な種類について解説していきます。
企業における取り組み事例についても取り上げているため、炭素固定について知りたい方、自社で何かできないか考えている方は、ぜひ参考にしてください。
炭素固定とは
炭素固定とは、大気中の二酸化炭素を何かしらの方法で固定することです。
二酸化炭素を有機物に変換することで、二酸化炭素排出量の削減につながります。
炭素固定の例としては、植物による葉緑素を活用した光合成や、大気中の二酸化炭素を生物躯体として固定させる方法がメジャーです。
自然の力を借りた炭素固定の方法
何度も言うようですが、炭素固定の方法はさまざまです。
ここでは生物学的な炭素固定の手段を紹介しましょう。
植物による炭素固定
先ほども触れましたが、植物が行う光合成はもっとも一般的な炭素固定の種類の一つです。
そのため、植林などによって植物を増やすことは、非常に重要な取り組みだといえるでしょう。
近年では、樹木の中でも成長が早いものを選んだり、土壌改良技術を開発したりすることで、植物がより多くの二酸化炭素を固定化できるようにする取り組みが行われています。
なお、植物を増やすだけでなく、既存の森林を再生させたり、森林火災を防止したりといった取り組みによって活用できる植物を増やすことも、炭素固定には有効な方法です。
海洋プランクトンによる炭素固定
植物だけでなく、海洋プランクトンによる炭素固定も有効です。
具体的には、鉄やアンモニアといった栄養塩を海洋に散布し、海洋深層水を表層に移行させることでプランクトンが増殖。海面では光合成が行われ、二酸化炭素は有機炭素となり海底へと沈降していきます。
そうすることで二酸化炭素を固定化し、海底に隔離が可能になります。
もちろん、海を使った炭素固定はその方法だけではありません。
大型の海藻を使った固定も有効です。
浅海や岩盤で育つ海藻を固着させ育てることで、二酸化炭素固定量を増やします。
また、それを発展させた形も存在します。
プランクトンや海藻の培養設備を使って、大量の炭素を固定する取り組みです。
培養池を使ってプランクトンや海藻の培養生産を行うことで、大量の二酸化炭素を固定します。
このように、海洋プランクトンなどを上手に使うことで、海洋環境の改善を図ることができます。
装置や化学を使った炭素固定の方法
装置や化学を使った炭素固定も可能です。
ここでは装置や化学を使った炭素固定の主な方法について解説します。
化学吸収による固定化
化学吸収による固定化としては、二酸化炭素を溶解できる、アミンや炭酸カリウムなどのアルカリ性溶液を活用したものが挙げられます。
アルカリ性溶液に二酸化炭素を通すことで、溶液中の成分に反応・吸収させることが可能です。
このように、溶液を使った固定化を検討する方も増えてきましたが、経済性の確保には至っていないのが現状です。
ただし、新たな溶液の開発も進められていますので、数年後にはその問題も解決する可能性もあります。
物理吸着による固定化
二酸化炭素を含んだ排気ガスをゼオライトや活性炭、アルミナなどの吸着剤に接触させ、二酸化炭素を吸着させることで炭素固定することが可能です。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
・PSA法(Pressure Swing Adsorption:減圧脱着)
・TSA法(Temperature Swing Adsorption:熱脱着)
・PTSA法(Pressure Temperature Swing Adsorption:PSAとTSAを合わせたもの)
物理吸収による固定化は、二酸化炭素の濃度が高い燃焼排ガスに対して使用されていますが、他の方法と比べてコストが高く、エネルギー消費も大きいことが課題です。
炭化による固定化
炭化により炭に炭素が固定されるため、二酸化炭素の放出を減らすことができます。
農業利用などで土壌にまけば、固定炭素は分解されないため、基本的に大気中に炭素が戻ることはありません。
このため、固定化に活用することが可能です。
ちなみに、1立方メートルの炭があれば、約1トンの二酸化炭素を固定できるとされています。
土壌改良剤やph値調整などの効果も期待できるので、ぜひ炭化を検討してみましょう。
なお、炭化装置をお探しの方は金沢機工にお問い合わせください。
弊社は多数の装置を納入した実績のある会社です。無料相談もお受けしております 。
ちなみに、炭化装置については以下の記事で詳しく解説しています。
炭化装置・炭化炉の種類や特徴は?燃料や原料になるバイオマスについても解説
地中貯留、海洋隔離などによる固定化
地中や海洋などの奥深くに隔離することで、二酸化炭素を固定化することができます。
ただし、地中や海洋に圧縮した二酸化炭素を送り込める貯留層と、地上に漏れないようにする遮蔽層を持つ場所がなければなりません。
隔離はどこででもできる方法ではないことを知っておきましょう。
炭素固定と環境問題の関係性
炭素固定を行うことは、地球温暖化の緩和につながります。
気候変動への対応が大きな課題となっている状況では、炭素固定は重要な役割を果たすといえるでしょう。
炭素固定の取り組み事例
ここでは炭素固定に取り組んでいる企業や組織の具体的な事例を紹介します。
炭素固定と聞いて難しそうなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、個人ではなく企業・組織レベルで取り組んでいくことも可能です。
森林再生の取り組み事例
損保ジャパンでは、東京オリンピックのサーフィン開催地として造成した千葉県一宮市の植林地で植林活動を行っています。
現在までに1,960本の苗木を植林しました。その内訳はクロマツを1,000本、マサキを480本、トベラを480本になります。
このように、植林によって植物の数を増やすことは、炭素固定において非常に重要な取り組みです。
ただし、植林した気を伐採し燃焼させていては、結局は大気に戻ってしまいます。
せっかく固定化された炭素を大気に戻らないようにするためには、炭化しかありません。
出典:『SOMPOの森林「損保ジャパン九十九里浜の森」』植林活動について
海洋環境および生物の影響を最小化するための取り組み事例
商船三井グループは、インドネシアでマングローブ再生・保全事業を目的としたプロジェクトに参画しています。
マングローブの再生は、二酸化炭素を取り込んで固定化するだけでなく、生物多様性の維持にも貢献するものです。
マングローブ林周辺の河川に棲む動植物や魚介類といった生態系を守ることにもつながっているので、素晴らしい取り組みと言えるでしょう。
出典:海洋環境保全・生物多様性保護 | サステナビリティ | 商船三井
炭化装置を使用した取組事例
新潟県の某JA支部では、もみ殻の処理に弊社の炭化装置を取り入れてくれています。
従来は焼却処理をしていたため二酸化炭素を多量に発生させていましたが、炭化装置を利用し炭化させたもみ殻を畑に撒くことで、炭素を土中に隔離させることが可能になりました。
こうやって土壌における炭素含有量を増やすことは、カーボンネガティブに確実に貢献できます。
炭素固定に取り組むなら炭化装置がおすすめ
今回は、炭素固定の概要や具体的な種類について解説しました。
炭素固定とは、大気中などの二酸化炭素を何かしらの方法を使って固定することです。
主な種類としては、植物や海洋プランクトンによる生物学的な炭素固定と、化学吸収や物理吸着による人工的な炭素固定があります。
地球温暖化が進行している中で、いかにして二酸化炭素の排出量を抑えるかは、日本のみならず世界各国の課題です。
そのような中、企業として取り組むのであれば炭化装置を利用した炭素固定がおすすめです。
二酸化炭素の排出量を減らすことができるため、環境保全にもつながり、地域貢献などの社会的な役割を企業として果たすことができます。
サステナビリティ実現のためにも、企業として取り組めることは多くあります。
ぜひ一度、炭化装置の導入を検討してみてはいかがですか。